第4話「ヤシガニ屠る」
放送までに作画が間に合わなく、未完成の状態で放送され、業界騒然になったそうです。
（1998）（JAMさん、AYATOさん、エルンハルトさん）
第4話「ヤシガニ屠る」は、セル画パートの全編で破滅的な作画品質の動画をテレビ放送してしまい、過去に例を見ないほどの低品質なアニメは業界騒然となった。なにしろアニメなのに、絵があまり動かないのだ。
そもそも放送開始当初から、オープニングやエンディングが「工事中」の未完成品のまま放送されたり、動作の中間の絵がなかったため、固まったキャラクター瞬間移動しているように見えたり、とにかく作画は破綻しているし、塗りミスや透過光処理の位置ずれは頻発していた。
セル画部分を韓国の下請けスタジオSANHO STUDIOに発注した4話分は、作業監督が不在だったり、セル画の納品の大幅な遅れで手直しをすることができず、そのままの状態で納品され、放送されたのだという。
「新世紀エヴァンゲリオン」などが大ヒットした影響で、アニメブームが過熱した時代だった。
このためスタッフの人手不足、予算不足が発生、安いアジア系へ移行していく最中であった。これは、「3文字作画」とよばれ、アニメ制作の一部の作業を、中国や韓国などの海外に外注することを指す俗語である。さらに、従来のセルアニメからCGによるデジタルアニメへの過渡期という原因もあった。
これらの経緯はあったにせよ、この「ロスト・ユニバース」では、全羽の制作終了後、再放送やDVD版収録のために、第４話のセル画を修正した。総作り直しに等しい作業だった。
これ以降には、オタクのあいだでは、作画のひどいアニメを「ヤシガニ」と言うようになった。
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