イギリスで放送禁止になったXBOXのCM
分娩室で女性が赤ちゃんを産むところから始まる。
生まれた子は、病院からミサイルみたいに空へ飛び出す
そこで、この男の子(ずっと裸なのだが、テレビで流せるような姿勢をとっている)の一生が急速に展開される。大人になり、髪の毛が抜け、しわができていく。彼はその間、ほとんど絶叫していて、身体からはスモークが立ち上っている。そして最後に彼が着陸した先は――自分のお墓だった。
このストーリーの教訓は?
CMの最後に“Xboxグリーン”のレタリングで、きれいに要約されている。
「人生は短い。Xboxでもっと遊ぼう」
さて、この結論は、私にも部分的に理解できる。確かに人生は短い。一度死んだら、きっとずっと死んだままだ。それならちょっと寄り道して花の香りを楽しもう。少しは楽しまなければ、生きるというのは実際、死に向かうことなのだから。
だがこのCMの主張は結局「人生は絶叫したいほどの地獄だ。そこから逃れられる道はたった2つ。死か、Xboxで攻撃することだ」ということなのだと私は理解した。そうとらえたのは私1人ではない。この問題を私に考えさせるきっかけとなった記事を掲載したMicrosoftのオンラインマガジン、Slateによると、視聴者から寄せられた苦情は137件。一部は愛する人を失ったばかりの人、一部は妊娠している人、一部は単純に怒りを感じた人たちだったという。
結果、このCMは引き下げられた。
このCMの遠回しなメッセージ――「運命を受け入れる以外、君にできることは何もない。だからゲームで遊ぶ以上にシリアスなことに、なんで頭を悩ませる必要がある?」――は“非常にシアトル的”ではあるかもしれないが“非常にMicrosoft的”ではない。Bill Gates氏が、運命を受け入れてXboxの前で人生を過ごす以外、自分の子供たちにできることは何もないと考えていると、あなたは思うか?
あるいは、十代半ばにPaul Allen氏に初期のPCを紹介され、ハーバード大学を中退してこの道に入ったGates氏が、人生を投げ出すことをよしとするタイプだと思うか?Microsoft的にはむしろ、「プログラミングスキルを学ぼう。そうすれば君は世界を良いアイディアで変えられるという希望が持てる」という宣伝の方が、似合っていないか?
おそらくMicrosoftは、人々、特に若者が、人生を素晴らしいものにするよう――座ってゲームをするだけじゃなく、自分の周りで起きていることにも目を向けるよう――
zdnetnewsより(動画No.1)
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