第12話「遊星より愛をこめて」
第12話の欠番について
本作の第12話は「欠番」という扱いになっており、作品は再放映されずDVDなどでも欠番とされている。これは以下の理由による。
第12話は、自らの兵器実験によって血液が汚染されたスペル星人が、治療のために地球の若い女性や子供の血液を奪うという内容であった。劇中に登場するスペル星人の姿は、凹凸の無い能面のような顔で、体に被曝によるケロイドがあるという、原爆の被害に遭った被害者への配慮が欠けたものだった。しかし、この事に関して本放送および初回再放送においては何の反響も無かった。
当該12話の本放送は1967年12月17日であるが、1970年10月のセブンの再放送時に発行された小学館の「小学二年生」の付録にあった怪獣カードに、スペル星人の説明として「ひばくせいじん」という記述がなされた。
(写真は上の説明と違うかもしれません)
このカードを見た女子中学生が原水爆系の圧力団体の関係者であった父親に相談し、父親は「小学二年生」編集部に抗議文を送った。
この事件が新聞で報道されて抗議運動は短期間のうちに各団体に拡大し、全国的な動きになった。
抗議を受けた円谷プロは1970年10月21日付けで謝罪の意を表し、スペル星人に関する資料を公開しないこととした。
また、小学館をはじめとする各出版社もスペル星人を扱わないと決めた。この取り決めにより、第12話は封印されることとなった。ビデオ、DVDにも収録されていない。 ひばくせいじんという別名は円谷プロが出版社に有料で配布した設定集に記載されていたもので、小学館は設定集をそのまま使っただけであった。
脚本上におけるスペル星人は翼のある甲虫のような宇宙人として表現されており、劇中の姿は実相寺監督の指示によって美術担当の成田亨がデザインしたものである。
成田亨が『ウルトラマン』で定めた怪獣デザインのポリシーと相反するために、監督に押し切られた成田自身はほとんど投げやりにデザインしたことを自著で回顧している。
本編監督・実相寺昭雄、脚本・佐々木守と異色作で人気のあるコンビによって制作され、本放送では32.8%と全49話中第4位の高視聴率をマークしている。
実際に視聴する機会があった『ウルトラセブン』ファンの間では作品の評価は決して高いとは言えない。
欠番決定当初は商業誌へのサブタイトルも掲載を控えられていたが、1981年に竹書房より発売された定価2万円の豪華本「ウルトラマン大辞典」でスペル星人のスチール写真や12話のフィルムストーリーが公開され、エピソードガイドでも他のエピソードと同等の扱いであらすじ等が掲載された。
その後は1986年から数年に渡って東映ビデオよりリリースされた「ウルトラセブン」ビデオカセットは、同封されていた放映リストに12話のサブタイトル、スペル星人の名称、脚本、監督、本放映日を他作品と同等に記載。
そして1989年にバンダイビジュアルから発売されたレーザーディスク「ウルトラセブン」第3集の解説には、「幻の第12話とは何か? 」というタイトルで会川昇による本作の解説(企画状況や欠番に至るてん末など)及び詳細なストーリーが掲載されたほか、12話本編のフィルムを一部掲載するなど、これまで完全な封印状態だった本編が権利元の監修の上で大きく取り上げられた。
その後、12話のデータのみに関しては徐々に掲載されるようになり、1991年発行の『ウルトラマン白書 第3版』(朝日ソノラマ)でも注釈つきながら放映リストに加えられ、近年の関連書籍では「12話は現在、欠番状態となっています」などと、<b>放映リストに記載しつつ、注釈で非公開であることを断るという形式が定着している。
しかし、上記の豪華本やレーザーディスクにおける扱いは例外的なもので、現在も問題の詳細を掲載するにあたって円谷プロの同意を得るのは極めて困難であり、同プロの版権を必要とする特撮系書籍でこの問題を扱うのは難しい。事実、欠番に至った経過が1992年発行の商業誌『怪獣学入門』(当時・JICC出版局、現・宝島社)の初版に掲載されたことはあったが、第二版からは別の記事に差し替えられてしまっている。しかし、2004年発行の『封印作品の謎』(安藤健二、太田出版)では従来の特撮系書籍とは異なった角度から取材が行われ、この問題の経緯が詳細に報告されている。
問題が発生した昭和45年まで12話は通常通りの放送スケジュールに組み込まれて再放送され、また玩具や関連商品も発売、各種イベントにも着ぐるみがたびたび登場し、特に問題とならなかった。着ぐるみが改造されてドジンゴと言うアトラク怪獣になったという情報もあるが確認されてはいない。
ウルトラシリーズの戦闘ハイライト場面のみを抽出した短時間番組「ウルトラファイト」でも、「遊星の悪魔スペル星人」タイトルで本作の戦闘場面が流されたが、欠番措置以降は本編同様欠番扱いとなった(1980年代に毎日放送系で放送されていた情報番組「夕やけロンちゃん」の枠内における再放送で、1980年3月27日に「遊星の悪魔スペル星人」が放送されている。その経緯は不明だが、大きなトラブルなどは起きなかった模様。現時点でこの放送が国内におけるスペル星人の最新の画面登場となる)。
外国においては現在に至るまで通常通り放送スケジュールに組み込まれている。
これについては、海外のエージェントとの契約が欠番事件以前からの長期契約だったためという説があるが定かではない。
スペル星人は単なる吸血怪獣として編集し直されている。本来の名は吸血宇宙人スペル星人である。(wikipediaより抜粋させて頂きました)
放射能を浴びてしまった被爆星人『スペル星人』の話が被爆者団体からクレームがきて永久欠番。
しかし「永久欠番」扱いから「現時点では欠番」に扱いが変更(セブンDVDパンフレットより)。
そのためDVD化用のデジタル復元作業は秘密裏に行われている可能性大。
訴えた団体側は殆ど本話を見ていなかったとか。
『被爆星人』の呼び名も問題の火種を作った小学館側が円谷プロの意向と無関係につけた通称で、
円谷は『吸血宇宙人』としていました。
1970年以降は第12話は再放送されず・・・DVDにも収録されず(M1号さん補足)
これとウルトラマンコスモスの主演男優杉浦太陽の恐喝冤罪は
「ウルトラマン2大事件」と特撮ファンからは呼ばれていそうです。 (misakoさん、最強隊長さん)


スペル星人は当初の設定はカブトムシ型の宇宙人だったそうです。
(くえすちょんマンさん)
「幻の12話」といっても、見ることが出来ないのは日本国内だけの話であって、米国では誰でも見ることが出来る。
(ネット上でも12話の動画ファイルはゴロゴロしている)
発端を作ったのは「原爆文献を読む会」(現在は解散)だが、騒動を大きくしたのは朝日新聞なのである。
しかし、一番問題があるのはやはり、検証も反論もせずに、作品を欠番扱いにして「臭いものには蓋」の態度を続けている円谷プロでしょう。
ウルトラセブン12話は、「ひばく星人」が問題化して朝日新聞や赤旗から円谷プロが猛抗議に遭った際、その対応として「この作品は完全に封印する。マスターテープも焼却処分する」と公式回答してしまったために、実はマスターテープが存在していても、二度とふたたび公には出せないようになってしまいました。
もしも12話をこの世に出してしまうと、円谷プロは世間に対してウソをついていたことになってしまい、再び大問題が起きるのは目に見えています。
このため、ウルトラセブン12話は絶対に復活することはないのです。
(ただし、100年後とか150年後といった、利害関係者がまったくいなくなった遠い未来には復活する可能性もありますが)
ところが、この「12話封印」はあくまで日本国内に限ったことであって、アメリカの放送局に売られたウルトラセブンのフィルムには無関係です。
このため、アメリカでは12話を見ることができますし、アメリカで放送された12話を個人的に録画して、日本国内で所持していても当然まったく問題はありません。
ちなみに、12話は「宇宙人がイケメンに化けて結婚詐欺みたいな真似をする」ことがメインストーリーなのであって、被爆問題などを重く扱った作品では決してありません。
セブンの中でもそう面白い話ではないのですが、一般公開されないことで神格化されすぎていますね。
実際見たら笑っちゃいますよ。(高砂義勇隊さん)
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